

新たな
ビジネスモデルへの挑戦。
三洋貿易の基本的なビジネスの形は、世界中のサプライヤーからモノを仕入れ、お客さまへ供給するというもの。モビリティ第一・第二事業部でも、国内の主要自動車メーカーや自動車部品メーカーに向けてさまざまな素材や原料を届けてきました。しかし、私が担当している商材は少し毛色が違います。取り扱っているのは“データ”。最新の自動車を分解・解析して得られた情報をデータベース化した『ベンチマークデータ』を国内の自動車関連企業向けに販売しています。当社では初めての無形商材に関するビジネスです。自動車メーカー各社は従来、他社製品を独自に分解してデータを収集していましたが、そのためには自動車の購入費、輸送費、分解・解析を行うための人件費といったコストがかかります。このような背景から三洋貿易は、データ収集に強みを持った海外サプライヤーと協力し、日本での自動車のベンチマークデータ販売を開始しました。さらに、分解した部品の現物を集めた展示場も開設。データだけでは分かりづらい部品の質感や金属加工技術といった情報も確認することができます。
国内でベンチマークデータを扱う会社はほかにもいくつかありますが、これだけ多くの現物を手に取って見ることができる展示場を持っているのは三洋貿易だけ。岐阜県に構える『瑞浪展示場』には日々、自動車産業に携わる多くの方が訪れ、自社の車づくりに活かそうと熱心に情報収集を行っています。展示場でお客さまと接しながら「もっとこんな情報が欲しい」というニーズを拾い上げ、サプライヤーに対しデータ改善のフィードバックを行うことも重要な仕事のひとつ。海外の会社なので文化や商習慣が異なり、ときに意見がぶつかることもありますが、こちらの要望や主張はしっかり行うことを大切にしています。データの精度を磨いていくことは、当然お客さまのためでもありますし、サプライヤーの販路拡大にもつながります。双方をハッピーにする橋渡し役が、私の役割だと考えています。
現場の声から、
データを磨く。
次の未来へ、
全速力。
これから挑戦したいのは、データの販売のみにとどまらず、データを活用したコンサルティングまで行うこと。収集したデータを各社の自動車づくりにどう活かせるのか。研究開発の領域まで踏み込み、より高次元なサポートができたらと考えています。世界中でEV化が加速する中、日本の自動車産業も大きな転換点を迎えています。これまで自動車大国だった日本がこれからも世界のトップを走り続けられるように、データという切り口で業界の進歩に貢献することが大きな目標です。また、この事業は三洋貿易にとっても、無形商材の販売という新たなビジネスモデルへの挑戦。自分がこの事業をリードする存在として、新たなフィールドを切り拓いていけたらと思います。会社と業界の未来へ、アクセル全開で突き進んでいきます。
モビリティ第二事業部
大西 智久TOMOHISA ONISHI